
作業着すがたの農家の方が、長ぐつを履いたまま、マーケットの入り口から入ってきました。
「朝の6時から収穫しはじめたんだけど、ちょっと遅くなってしまったわ。ごめんね〜」
そう言いながら、さっそく陳列棚に、生産者が自ら野菜をならべます。力強い原始の力を秘めた、色鮮やかな野菜がズラリと揃った風景は、ほんとうに美しいものです。
「まぁ美味しそう!」
「そうでしょう。これ今獲ってきたところなんよ〜。とくに今日のは甘みがあって、すごく美味しいよ〜」
お客さまと農家の方が、楽しそうに談笑しています。
こんな光景は、従来のスーパーマーケットではありえませんでした。しかし、ここでは毎日のように繰り広げられるおなじみのシーンなのです。
農家の方が農産物を持ってこられると、店舗スタッフは、ひとつひとつの農産物について、いろんな話を伺うようにしています。生産の苦労話はもちろん、その農作物を使った簡単なレシピなど、できるかぎりの情報を教えていただくように心がけています。そしてそれを、農家の方が帰ったあとには、店舗スタッフがお客さまにお伝えするのです。
私たちが目指しているのは、“昔の商店街”のような人情味あふれる対面販売。
お客さまに、「農家の畑で直接野菜を買っているような感覚」を提供したいと考えています。
「一里四方」という古い言葉があります。一里四方(自分の身の回り)で獲れる食材を食べていれば、病気知らずで健康でいられるという意味です。近場で獲れたものが、いちばん新鮮だという意味もあります。
現在、さかんに「地産地消」の大切さが唱えられていますが、この「地」とは、どれくらいの範囲の地域を指すのでしょうか。私は、ほんとうの「地産地消」の範囲は、かなりせまいものだと考えています。
「四季菜」では、生産者の方の名前や獲れた場所が、農作物に添えられています。書かれている名前を見て、その人の顔が浮かぶ。書かれている地名を見て、山や川や野原などの景色が浮かぶ。つまり、そこでの人々の生活や情景が思い浮かべられるくらいの範囲が、本来の「地産地消」ではないかと考えています。
「ファーマーズマーケット・四季菜」は、まさにその理にかなったマーケットだと思っています。
お気づきのことがあれば、どんどんスタッフに言ってください。
お客さまが思っていることを、なんでも伝えていただけるような信頼関係を築いていきたいと思っています。
これからも、生産者の方々と協力しあい、品質のいい農産物を増やしてまいります。そして、お客さまと楽しく会話をしながら、いっしょに安全な「食」を考えていきたいと思います。





